あなたならどうします?

タイムリミット

私は昔から「真面目」と、よく言われます。
学校の先生にさえもそんな評価をいただきました。

真面目だけが取り柄なのか?
そんなのいやだ、もっとクリエイティブになりたい。
私の心の葛藤はともかく、真面目を絵に描いたような出来事を思い出しました。

その頃、私にとって重圧の胃が痛むような業務がありました。
期日の◯時までにデータを送らないと、

大勢の働く人達にお給料が支払えない。
なんというプレッシャーな業務か。
お給料のデータを作ってチェックを◯時までに終え送信。

ある日、いつものようにチェックをし合って作業をしていると、
ビルの外が何やら、騒がしい。
窓から顔を出して見てみると、隣接したビルの同じ階からモクモクと煙が出てる。
道路からはオーバーリアクションで降りて来なさいと私たちに向かって叫んでる。

えーでも、データが完成していない、もう時間がない。
これを送らなければ、みなさんの大切なお給料が〜。

不明点を確認しようと外出中の上司に電話で問い合せ。
「はい、わかりました、それはそのように処理します」
そして最後の最後に、
「もしかしたら、◯時までにデータを送れないかも知れません」
「すみません」と誤る私。

電話の向こうで「えっ、何で?」

「実はとなりのビルが火事みたいで」

「あほかっ!!すぐに逃げなさいっ!!!」

「…。」

データを完成させる事しか頭になかったという、
若いというか真面目というか不器用な私の話。