本当にあったさっちゃんの恥ずかしい話

親切心が道化者に変わる時

過去に経験した顔から火が出た話を書きたいと思います。
以前個人のホームページで書いてた記事なので、
知ってる人は知っている、
知らない人は全く知らない。
まあ、どっちでもいいのだけれど。
とくかく、私の恥ずかしい過去のお話パート1。

私は視力が弱いのです。
芸能人のどなたかが、バナナと思ったらおしぼりだったとかいう類いのお話。

私が初々しいサラリーガールだった頃、
その日もいつものようにラッシュアワーのホームの上、私は電車に乗るため並んでいました。

「降りる方を先にお通し下さい~」とアナウンスが聞こえて、
はいはい、エチケットね。
扉の前を空けて、左右に分かれて待ってると、
ドアが開いて降りてきた女子高生が胸のポケットから何やら落としたっぽい。
探しているけど見つからない。
かわいそうにと足下に目をやれば、大事な定期券が落ちている。

私が一番近いし、気付いてるのは私だけ、拾ってあげましょ、ちょっと待っててね。
なのに、なかなか拾えない。
人ごみの中、
う・ううう爪が折れそうって思った瞬間です!

その手元の向こうに、
同じ間隔で定期券が左右に一列にきれいに並んでる・・・

「ぎゃっ!これはもしかして、ホームに引かれた白線さんではありませんか。」
ホームからむしり取る勢いで白線を拾おうとしていた私。

仕方ない!気持ちを切り替え、何事もなかったかのように、いざ電車に逃げ込もう。
今の一部始終を誰も知らない場所まで、入って行かなければ!
これまた必死に人をかき分け奥へと進む私。

しかし運命は、これで許してはくれなかったのです。

私のあとを必死で追いかけてくるご婦人がひとり。
げ〜、必死で逃げる私。

狭い電車の中で、すぐに追いつかれ、
満面の笑みを浮かべご婦人は「はい、落・と・し・物っ♪」と、
見たこともない『ペン』を差し出しました。

見ていたのだ、見られていたのです。
取り付かれたように何かを拾う私を。(白線だよ!)

そんな親切なご婦人には悪いけど、
残るプライドやら何やらかんやら寄せ集め、つなぎ合わせて懸命に、
おすまし顔で「いえ、違います」・・・

ペンは、勿論女子高生には返ることなく、電車はホームを出て行く。
親切なご婦人とお馬鹿な私を乗せて〜

あの時のご婦人の 「そんなあほな!」という顔は、今でも心に残っております。
ほんとうにごめんなさい。